二十四節気 第7節「立夏」夏の立つがゆへなり

7、立夏

二十四節気第7番目で暦法上では4月節,現在の定気法では太陽が視黄経45°にあるときと定義されている
5月5~6日ころになるのですが,旧暦の日付では3月15日~4月15日の間のどこかになります。
「夏が立つ」と書くように、夏の兆しが見え始める頃という意味で、陽気も増して夏の気配を感じる時期です。
立夏の「立」とは中国語で「始まり」という意味で、立夏とはその文字の通り、夏の始まりを表しています。5月5日頃から約15日間の立夏の期間は、
爽やかな新緑のシーズンとなります。暦では立夏から夏に入るため、「暦の上では夏となりました」といったフレーズをよく見聞きします。

「薫風(くんぷう)」

立夏は晴れて暖かくて過ごしやすい日が多く、この時期に吹く爽やかな風を「薫風」と呼びます、俳句の世界では初夏の季語となります。
「薫風」「風薫る」は、青葉若葉を揺らす風に香りがあるかのような様子を表しています。この森林浴などで感じるような香りの正体は、フィトンチッドという揮発成分で、抗菌作用があります、また、木にかかる雨は、若葉雨、緑雨、青雨と呼びます

立夏の初侯・次侯・末侯
二十四節気をさらに3分割して、1年を72に分けたものを七十二候といいます。
15日間ほどある節気を、約5日ごとに初候、次候、末候と区切って、季節の変化をよりきめ細かく表現しています。
その時期ならではの生物の行動や自然現象にまつわる名が付けられているのが特徴です。
二十四節気の立夏をさらに3つに分けた七十二侯は次のようにに移り変わります。

次侯「次侯:蚯蚓出(みみずいづる)」
5月10日頃
蚯蚓(みみず)が地上に出てくる頃のことです。
「みみず」の語源は「目見えず」で、目のないみみずは光を感知しながら暗がりへ進んでいく性質があります、夜や雨の日に土から出て行動します。土を肥やす役割も果たしています、肥えた土ができるには、みみずの存在が不可欠といわれています。

末侯「竹笋生(たけのこしょうず)」 
5月15日頃
たこのこが生えてくる頃のことです。「竹笋」は、
たけのこの古名です、たけのこには筍、竹の子、竹笋、たかんな、などという表現があり、いずれも季語になっています。たけのこは初夏が旬。朝堀りをその場で食べるのが最もやわらかく、美味と言われています。

端午の節句

立夏の期間である5月5日は、「こどもの日」にあたります。本来は男児が主役の「端午の節句」なのですが、昭和23年に男女の別なく子どもの幸せを願う
「こどもの日」になりました。兜や五月人形を飾り、子どもの健やかな成長を願う日です、 古代中国では、月と日に同じ奇数が重なる日を忌み嫌い、その日には邪気を祓う様々な行事がありました,それらのことにちなんで、男の子の立身出世を願うという意味が込められています。

このように現代では「こどもの日」として祝われる5月5日ですが、この日はもともと五節句の端午の節句にあたります。端午の端は「はじめ」という意味で、端午は5月最初の午(うま)の日のことでした。それが、午(ご)という文字の音が五に通じることなどから、奈良時代以降、5月5日が端午の節句として定着していったと伝わっています。
江戸時代頃になると、勢力の中心が貴族から武家に移っていき、「菖蒲(しょうぶ)」の音が、武を重んじる「尚武(しょうぶ)」と同じであることから、「端午の節句」は、「尚武の節句」として、武家の間で祝われるようになっていきました。武家の家の後継ぎとして生れた男子が、無事成長していくことを祈り、一族の繁栄を願う重要な行事となったのです。3月3日のひなまつりが、女の子のための節句として根付いていたように、5月5日の端午の節句は、男の子のための節句として定着していきました。
また、鎧や兜を飾るのは、武家社会から生まれた風習です、身の安全を願って神社にお参りするときに、鎧や兜を奉納するしきたりがあり、そのしきたりが由来しています。鎧や兜は戦の道具と受け取られますが、武将にとっては自分の身を護る大切な道具であり、シンボルとしての精神的な意味があったのです。
そして、現在では、鎧兜は身体を守るもの、という意味で重視されて、交通事故や病気などから子どもを守ってくれるようにという願いも込めて飾られています。
また子供の日に屋根より高く泳ぐ、鯉のぼりは、江戸時代に町人階層から生まれた節句飾りです。鯉は清流ばかりでなく、池や沼などどこにでも生息することができる、生命力の強い魚で、その鯉が、急流をさかのぼって、竜門という滝を登ると竜になって天に登るという中国の伝説、登竜門に由来して、どんな環境にも耐えて、立派に成長するよう、立身出世を願うための飾りです。

また子供の日に屋根より高く泳ぐ、鯉のぼりは、江戸時代に町人階層から生まれた節句飾りです。鯉は清流ばかりでなく、池や沼などどこにでも生息することができる、生命力の強い魚で、その鯉が、急流をさかのぼって、竜門という滝を登ると竜になって天に登るという中国の伝説、登竜門に由来して、どんな環境にも耐えて、立派に成長するよう、立身出世を願うための飾りです。

他にも、立夏の5月5日には、京都の下鴨神社では「更衣祭」という神様の衣替えをする神事が執り行われます、同じ様に、立冬の日にも「更衣祭」は執り行われま様の神衣を新調する神事を斎行している神社には、伊勢神宮の「神御衣祭」や明治神宮の「御衣祭」などがあります。             

投稿者 #泰成明