3 啓蟄(けいちつ)
「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」 啓蟄は二十四節気、第3節の節気です。太陽黄経が345度で 3月6日頃の事を指します(2024年は3月5日) 春分のひとつ手前の節気で、暦の上では春到来の直前と言えます。 啓(けい)は、戸を開く、蟄(ちつ)とは、土中で冬ごもりしている虫,の意味で、大地が暖まり冬眠していた虫が、 春の訪れを感じ、穴から出てくる、これまでの寒さが和らぎ、あたたかな気候になってくる頃ということです。 地域によっては、害虫などから松の木を守るために、冬の間、幹に巻き付けた藁でできた菰(こも)を、暖かくなってきた啓蟄の日に外す 「菰はずし」は風物詩で、啓蟄の恒例行事となっています。
まだまだ寒い時期ですが、春雷がひときわ大きくなりやすい頃でもあります。春に鳴る雷を、「春雷」「春の雷」などと呼びますが。 夏の雷とは違い、すぐに鳴りやむことが多いので、鳴ってもすぐにおさまると言うたとえにも使われています。 この頃に鳴る春雷は、「虫出しの雷」、「蟄雷」「などと言われていて、春雷の音にびっくりして、虫たちが飛び出してくると考えられました これらの言葉は、それぞれ、春の季語となっています。 その他には、「啓蟄」に関連する季語としては「蛇穴を出づ」「蜥蜴穴を出づ」「地虫穴を出づ」「蟻穴を出づ」などがあります。
ひと雨ごとに気温が上がり、日差しも徐々に暖かくなってくると、わらびやぜんまいなどの山菜も土から顔をのぞかせてきます。
これらの春の山菜、野菜には独特の苦みがあるものが多いのですが、この苦み成分である「植物性アルカロイド」は、デトックス効果がある成分を多く含んでいて、腎臓の機能を高める効果が期待でき、腎臓のろ過機能が高まり新陳代謝を活性化させると言われています。
「春の皿には苦みを盛れ」と言われるように芽吹きの頃である啓蟄のこの時期にに山菜を食べるこは、体にとっても実に理にかなったことと言えるのです。。
この啓蟄の時期の、3月1日から14日には、東大寺の二月堂では、修二会(しゅにえ)が行われます
修二会とは穢(けが)れを祓(はら)い、国家の平安を祈願する法会(ほうえ)のことで、修二会の期間中には、二月堂の舞台で毎晩、大きな松明(たいまつ)を引き回す「お松明」が盛大に行われます。
そして修二会のクライマックスでもある「お水取り」は3月12日の深夜から13日の未明にかけて、
本尊にお供えする水(香水/こうずい)を堂前の井戸から汲み上げます。これがお水取りで、関西の人たちにとって、お水取りは春の訪れを感じさせる行事で、厳しい寒さもこの「お水取り」まで、この日を境に、春が訪れると言われています。
投稿者 #泰成明